初恋~ある女の恋愛物語~
流し見のような感じで
名前を見ていった

ただ一つだけ私の目に
止まった名前があった

忘れもしない名前

何度もまばたきをして
その名前を確かめた

何度も何度も…

繰り返し名前を見た

そしてその名前を
見つめた

“藤田大介”

何度も見直した

ただの同姓同名かも
しれないと自分に
言い聞かせるのに
頭の中が言うことを
きかなくなってる

久しぶりに見たこの名前

ずっと心の中にあった
この名前

大ちゃん…

指で名前をなぞりながら自然に呟いていた

他人である事を願う

今の私じゃ、会えない

彼との思い出を語れる
ような女じゃない
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