初恋~ある女の恋愛物語~
『私の初恋も大介だよ』

胸のドキドキを
隠しながら
素直に言えた

素直な自分になれた

『両想いだったんだな』

照れたように笑う大介

私も一緒に笑った

笑顔の大介の顔を見て
私も素直に笑えた

それから
一瞬の沈黙が流れた

大介と私の呼吸が
合った瞬間

大介の顔が近付いてきた

私は素直に目を閉じた

重なる唇は昔と
変わらない温かさだった

自然に手を
握り合っていた

その手も久しぶりに
握った温かさ

心を落ち着かせてくれた

ずっと待っていたような気分に陥る

手からドキドキが
伝わってしまいそうな
くらいに緊張していた





コンコン

その時だった

突然ノックされる扉

思わず体がビクンと
反応してしまう

握っていた手を
パッと離した

私はとっさに扉から
見えない位置に
身を隠した

大介が扉を開けると
女の人の声がした
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