社長は今日も私にだけ意地悪。
そうか、と答えながら俺は芽衣の腕をぐいっと引っ張る。

バランスを崩した芽衣は「きゃっ」と短い声をあげながら、ソファに仰向けに寝転んだままの俺の胸の上に飛び込んできた。


「けっ、圭さん!」

「身体冷えないか心配してくれたんだろ? 問題ない。すぐに熱くなるから」

そう言いながら彼女の白い首筋に吸い付くと、彼女はまた小さく声をあげた。


彼女のこんな声も、表情も、全て俺のものだ。


深いキスを繰り返し彼女を味わいながら、やがて体温も感覚も一つになっていく。


ずっと一緒に同じ景色を見ていきたいから。


ずっと隣にいてほしい。



そして。



「圭さんは今日も意地悪ですね」



困ったように笑うその笑顔を、ずっと俺だけに見せていてほしい。


*番外編.圭side End*
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