キミはずっと、かけがえない人
「以前付き合っていたのだから、大丈夫じゃないのか」
「以前は以前です。今は好きじゃありません」
「32歳にもなって、独り身は嫌じゃないのか?」
「別に嫌じゃありません。無理やり結婚させられるぐらいなら、一生独り身でいいです」
「強情だな」
「どっちがですか」
ここまで話していても、彼本人も彼の母親も口を挟まない。
もちろん、うちの両親もなんだけど。
政略結婚でいいというのか。
そもそも、私は振られた方の立場だ。
気まずく嫌なのは、彼の方のはずなのに。
言いたくても言えないのだろうか。
でもこの人、確か湖陵では働いていなかったはず。
だったら、反発も出来るはずだけど。
次期社長というぐらいだから、今では働いているのだろうか。
まぁ、そんなこと私には関係ない。
とにかく、私は認めないんだから白紙にしなければ。
「とりあえず、今の仕事を早急に辞めろ」