キミはずっと、かけがえない人



自分の車じゃないから、必死に出ようと暴れるけど、男の力に敵う訳がない。

どこに連れて行かれるか分からないけど、車が動いてしまった以上大人しくしているしかなかった。

男が4人もいるのに、車の中は静かで不気味だった。

エンジン音のみで、息がつまりそうだ。

かと言って、状況が分からない私が話すのもおかしいし。

聞きたいことはたくさんあるけど、黙ったままでいた。


そんな中、20分ほど走らせて車は停まった。

そこは、マンションだった。

しかも、高級そうな。

そこで、車を降りて中へ連れて行かれる。

入口から暗証番号があって、防犯カメラもある。

セキュリティは抜群だ。

エレベーターで最上階の14階まで上がった。

そこで降りると、1番奥まで行き、突き当たりの部屋のインターホンを押した。



『はい』



中から男性の声がした。



「お連れしました」

『開いているので入って下さい』




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