キミはずっと、かけがえない人



「そりゃあ、これだけ大きな会社は一般人からしてみたら重荷でしょうよ。元々産まれ育った場所なら、それなりに覚悟は出来ていると思いますが」

「そんなもんか。やりがいを感じるとかじゃないか」

「プレッシャーですよ。湖陵のNo.2の立場なら尚更」

「私がその上にいてもか」

「いつまでもいる訳じゃないでしょう?」

「それもそうか」



やっぱり、これだけの大手を率いていると、少し感覚が違うのかもしれない。

こんなところの上に立つなんて、プレッシャー以外何者でもないと思うけど。

やりがいを感じるのは、部長、課長などステップアップした時じゃないのかな。

まぁ、私は仕事にやりがいを感じたことがないから分かんないけど。



「でも、亜依にはプレッシャーなんてなさそうだけど」

「は?私が上に立つ訳じゃないし。ただ、社長秘書なんかプレッシャーだけどね」

「そうかなぁ。会長であるじいさんに、言いたい放題しているけど」

「今は仕事じゃないし、会長として話している訳でもないし」




< 99 / 210 >

この作品をシェア

pagetop