キミはずっと、かけがえない人
「そりゃあ、これだけ大きな会社は一般人からしてみたら重荷でしょうよ。元々産まれ育った場所なら、それなりに覚悟は出来ていると思いますが」
「そんなもんか。やりがいを感じるとかじゃないか」
「プレッシャーですよ。湖陵のNo.2の立場なら尚更」
「私がその上にいてもか」
「いつまでもいる訳じゃないでしょう?」
「それもそうか」
やっぱり、これだけの大手を率いていると、少し感覚が違うのかもしれない。
こんなところの上に立つなんて、プレッシャー以外何者でもないと思うけど。
やりがいを感じるのは、部長、課長などステップアップした時じゃないのかな。
まぁ、私は仕事にやりがいを感じたことがないから分かんないけど。
「でも、亜依にはプレッシャーなんてなさそうだけど」
「は?私が上に立つ訳じゃないし。ただ、社長秘書なんかプレッシャーだけどね」
「そうかなぁ。会長であるじいさんに、言いたい放題しているけど」
「今は仕事じゃないし、会長として話している訳でもないし」