彼と愛のレベル上げ
ダメダメ。
いつもこうやって一人で考え過ぎて私は迷宮に入っていく。
だから今回は、きちんとその理由も聞かなければいけない。


頭の中で少しずつ整理すると、さっきまで自分の体を支える事が出来なかったけど今はきちんと自分の足で立っていることができる。

だからもう大丈夫って潤兄に言おうとして声をかけた。


「潤、にぃ……?」



潤兄にきつく抱きしめられたままの私。

いくら仲が良いイトコでも、抱きしめられるのは初めてで。
子供の頃はそんな事もあったのかもしれないけれど、もう十分大人で。


「…ん」

「もう、平気、だから……」


ふらついていた体も今なら一人で立っていられる。

それに涙なんてもうすっかり止まってて、……


「……そんな桃、見てらんねーから」


絞り出すような声で放たれた言葉。
なんでそんな辛そうな声、なの?


抱きしめられたまま上を向いてみるけど、頭一つ違う潤兄の顔は見えない。


「私っ、急なことで慌てちゃって。でも、あとでちゃんと聞くから――」
「………俺なら、……のに」


「え?何て…?」


潤兄の言った言葉がよく聞こえなくて聞き返した。




この時なんで聞き返しちゃったんだろう。

聞き返してしまった私を潤兄はさらに強く抱きしめると、今度ははっきりと聞こえるように耳元で呟いた。




「俺なら桃の事、泣かせない……」





どういう、意味?


オレナラ モモノコト ナカセナイ


また頭が考える事を拒否し始める。


潤兄の言った事が片言の日本語のように聞こえる。


潤兄の言ったその言葉。
その言葉の意味なんて知りたくない…
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