彼と愛のレベル上げ


「これ言ったらまたセクハラって言われるけど、最近天ケ瀬ちゃん変わったなと思ってたんだよな」

「あー俺も、時々なんていうの色っぽい仕草するよな?」


色っぽい?よくわかんないけど、なんか変わったかな?


「また~鈴木さんもセクハラ発言」

「でも、やっぱわかりますよね?桃ちゃん変わりましたよね?」

「俺、その指輪見なかったら危なかったわ」


鈴木さん。それどういう意味ですか?

彼女居るくせにすぐにそういう事言うんだから。


「ダメですよ?鈴木さん。桃ちゃんの彼、すっごいヤキモチ焼きなんですから」

「おお、そうなんだ。気をつけないとな」


何を気をつけるのやら。

ていうか、そんなにヤキモチ焼きでしたけ?ジュンさんて。


「ヤキモチ焼きの年上の彼か、見てみた~い」

「ふふふ。桃ちゃんの事、超溺愛しちゃってもう大変なんですからっ」

「うわーますます見てみたいわ」

「ちょっと、望亜奈さんっ」


望亜奈さんに言われて恥かしくて、たぶん顔なんて真っ赤なんだろうけどともかく怒る。


「あ、桃ちゃんに怒られたんでそろそろ私もビールいただいていいですか?」

「あーごめんごめん。」


次々に注がれるビールを一口で飲み干す望亜奈さん。

なんて男らしい……

そんな事を何度か繰り返しているうちに、営業二人もその場を離れ他の場所に行った。


「あらためて、お疲れ様です望亜奈さん」


空になった望亜奈さんのコップにビールを注いだ。


「おつかれ」と言って私のグラスにあて、またくっと一気に飲み干す望亜奈さん。


「さっきは面白かった」

「面白いじゃないですよ、ほんとっ。助けてくれると思ってたのに」


まぁ別に主任だって言われなかったから良かったけど。ていうか、主任だなんて言ったらこの場が大騒ぎで……


「いいじゃない?主任って言わなかっただけ」

「そうですけどっって言うか、もっと声小さくっ」

「大丈夫よ~。みーんな飲んでるんだから聞こえてないってば」


そうかもしれないけど、いつも主任の話をするときは事務所から遠いお店を選んでしてた。誰に聞かれるかわからないから


「それに、今隠したってどうせバレるんだし?」


え?
それどういう意味?
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