エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「ただし、私のデザインを知り尽くしたパタンナーがいて、縫製のプロがいて……初めてブランピュールの洋服ができます。同じものができるとは思わないでください。私の部下をなめないでいただきたい」


すこぶる丁寧な物言いだったのに、最後だけは語気を強めた翔さんは、「行こうか、砂羽」と私を促す。

デザインを取り返さなくていいの?

思わず翔さんを見上げたけれど、彼は顔色ひとつ変えず私を伴って歩き出した。

少し歩くと、運転手の林さんが待ち構えている。


「おかえりなさいませ」
「うん。悪いけど、一旦俺の家に向かってくれ」
「えっ、まだ仕事がありますし、私はひとりで大丈夫です」


おそらく彼だって忙しいだろうに。


「ダメだ」


けれども彼は冷たく言い放つ。
もしかして私が余計なことをしたので、怒っているのかもしれない。

それからマンションにつくまでの間、私たちはひと言も話さなかった。
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