エリート社長の許嫁 ~甘くとろける愛の日々~
「私も楽しみにしてるの」
「うん。でも、やっぱり一ノ瀬さんの招待客もすごい人数だったわね」


たしかに。
会社関係の人は呼ばないわけにいかず、アルカンシエルの一番大きい宴会場でも手狭なくらいだ。


「はー、緊張するな。天気がいいといいんだけど」
「そうね。あっ、そういえば写真の前撮りをするって聞いたけど……」


澪さんの言葉に首を傾げる。


「えっ? 私、聞いてない」


式や披露宴の細かなプロデュースは、センスのある翔さんにほとんど任せて、八坂さんと相談してもらっている。

その進捗状況はよく聞かせてくれるけど、前撮りなんて初耳だ。


「あれ、そうなの? 私の聞き間違いかなぁ」


今度は澪さんが首をひねる。


「あっ、そろそろ帰ってくるって」


そのとき澪さんのスマホが震え、八坂さんから帰るとメッセージが入ったようだ。


「それじゃ、そろそろおいとまするね」
「うん、また来て」
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