ねとらぶ! ー私の笑顔のつくり方ー
プロローグ

他人が自分に対する感情を、やけに気にするようになったのはいつからだろう。




「よし。大丈夫。」

鏡に映る自分の姿を見て呟く。


人より少し小さいけど丸い顔。
片方だけ二重の目。
低くて小さな鼻。
そして、微笑んでる桃色の唇。

容姿は普通。自覚済みだ。

目にかかるくらいの長さの前髪をまっすぐにおろして、
肩まで伸びている後ろ髪を1つに結ぶ。


「芽衣。前髪、ピンでとめないの?」

「大丈夫!今度切るよ。」

母が私を心配そうに私を見てくる。

「でも...今邪魔にならない?」

「へーき。別に前見えるし!」

(いつも気にしてないくせに。)

気にしない、というか見ていないのだろう。私のことなんて。



「いってきます。」

玄関のドアを開けて家を出る。

誰からも返事なんて聞こえない。というか私の声が届いていないのだろう。




初めて着るブレザーの制服とミニスカート姿の自分が、
周りからどのように見られているのか気になって仕方がない。

(はいはい。自意識過剰ですよ。分かってます。)

誰も私なんて見ていない。そんなこと理解してる。

それでもやっぱり気になってしまう。



「自分の姿」を、

今誰かが笑っているんじゃないか。

今誰かを不快にしてるんじゃないか。



そんなことばかり気にしてしまう。

全部"彼"のせいだ。

私を置いていった"彼"のせい。


(懐かしいこと、思い出しちゃった...)

別に思い出さなくてもいい。

思い出す必要なんてない。

忘れてしまった方が楽。


思い出しかけた"彼"の顔をムリヤリ頭にしまい込む。


「芽衣!大丈夫?聴こえてるー?おーい。」

「あっ、ごめん瑞穂!ちょっとぼーっとしちゃってただけ!」

「もうっ!しっかりしてよー!」

そう言って

「親友」の瑞穂と2人で笑い合う。

きっと毎朝こんな感じで過ぎていくのだろう。

なにひとつ特別じゃない



私の普通の高校生活___
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop