【完】学校イチ人気者の彼は、私だけを独占したい。
「詩がミア先輩の浮気相手なんじゃないかって……噂になってるの」
「……」
噂の内容、思ってたのとちょっと違う。
ちょっとどころじゃない、変だ。
梅干し食べた時みたいに、タコみたいな唇になって、思わずまい実ちゃんにマヌケ面を晒してしまった。
「浮気相手って、私彼女なんですけど!?
なんで斜め上いっちゃうかな!?」
大声を出すと、「しぃー!」とまい実ちゃんが自分の口元に人差し指を当てるから、慌てて黙る。
「詩、あんた確か夏休み中、ミア先輩と海行ったわよね?」
「うん、行ったよ」
「ミア先輩のクラスの人が見たんだって」
「なにを……?」
「あんたと先輩と……もう一人、すっごい美人が喋ってるとこ」
「……」
「言い合いとまではいかないけど。
すっごい三人の雰囲気が悪かったって、噂になってるよ」