囚われの王子様。


戸惑ったような声。困惑しているんだろうな、というのが声だけで伝わってくる。

話を切り出すような雰囲気に、ああもう終わったな、と思った。


「もしかして先週の土曜日、河川敷の運動公園に居た?」


なんとか誤魔化せないかな、とパソコン作業用の眼鏡をかけてみたけど無駄だったらしい。


「いや、その…。えーっと」

「やっぱり…。悪い 」


私の歯切れの悪い返答で察したらしい須藤さんに、ようやく顔を上げた。

ああ、やっぱりこの人だ。そしてイケメンだ。


「あの時は、全然周りが見えてなかったんだ」


顔を大きな手で覆いため息をつきながら謝られる。

き、気まずい…。気づかないふりしてもらった方がマシだった。


「悪い、いきなり知らない男に肩を掴まれて、怖かっただろ?」

「いえ、全然大丈夫だったので!気にしないで下さい」


謝る須藤さんに居たたまれない気持ちになってしまった私の声は大き過ぎて、必死過ぎてミーティングルームに響く。

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