20代最後の夜は、あなたと
奈緒とケーキを食べながら、たくさん話した。


話してるうちに、涙があふれて止まらなくなった。


「紗和、自分だけが我慢すればいいなんて、間違ってる。


あとで絶対に後悔するから。


川島の言うことなんか、無視してればいいじゃん。


悪いことしてるヤツには、必ずバチあたるんだから」


「うん、わかった」


「それからさ、これは言おうか迷ったんだけど。


伊勢くん、私がエントランス着いた時に、まだ待ってたよ。


声かけたら、紗和が心配で、会ってくれないだろうけど来たって言ってた」


「そう」


「川島が無理やりキスしたんでしょ?


事故だと思って割りきれない?」


どうなんだろう。


伊勢くんのこと嫌いになったわけじゃない。


正直、グイグイくる川島さんに疲れてるんだと思う。


私が最もニガテなタイプの女子だし。


でも、伊勢くんを川島さんに渡したくない!みたいな、強い気持ちがあまりないのも事実で。


社内の気まずい雰囲気におされて、伊勢くんと距離を置きたいっていうのが、今の私の気持ちだった。


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