20代最後の夜は、あなたと
部長は帰るのかと思いきや、自分の席に座って仕事に戻った。


このフロアには、部長と私の同期の伊勢くんと私の3人だけになった。


もう18時過ぎたし、19時までには終わらせるぞ。


集中してパソコンにかじりつく。


無言でキーボードを叩き続け、マグカップのコーヒーが空になった頃、入力終了。


我ながら、頑張った頑張った。


そそくさと帰り支度をして、


「お疲れさまです、お先に失礼します」


とフロアに声をかけると、


「おう、お疲れー」


と返事をしてきたのは、部長だけだった。


「部長、伊勢くんは帰りましたか?」


「さっき帰ったぞ、宮本も声かけてたじゃないか。


大丈夫か、おい」


「すみません、うっかりしてました」


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