20代最後の夜は、あなたと
「誘いたかったけど、宮本落ちこんでたし、なんつーか、生気がないっていうか」


「それはさ、フラれて落ちてたんだよ」


「そっか」


突っこんで聞かないところが、伊勢くんの優しさなんだと思った。


「俺、前から・・・」


伊勢くんが何か言いかけた時、


「伊勢と宮本じゃないか、俺の悪口大会か?」


背後から、霧島課長の声が聞こえた。


「あ、課長、お疲れさまです」


二人とも立ち上がり、挨拶した。


「同期でつきあってんのか、気づかなかったな」


「ち、違います、伊勢くんと私は単なる同期です。


そんなの伊勢くんに失礼ですよ」


「ふーん、じゃあ、明日遅刻すんなよ」


課長は奥の個室に向かって行った。


モデルみたいな美人があとに続く。


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