20代最後の夜は、あなたと
冷蔵庫にあったもので簡単な朝食を作り、コーヒーを飲みながらゆっくり食べた。


テレビ見ながら、話しながら。


昨日濡れてしまったスーツも乾いたので、身支度をして仙台駅へ向かった。


霧島課長の希望していた牛タンを食べて、チケットを買い、新幹線で東京へ移動した。


2日間を霧島課長と過ごして、少し見方が変わった。


思っていたほど、イヤな人じゃないのかもしれない。


でも、奈緒に対してみせた態度を思うと、好きにはなれないだろうな。


そんなことを考えていたら、いつのまにか眠ってしまったらしい。


「おい宮本、起きろ」


課長に揺り動かされて目を開けると、もう見慣れた東京駅近くの風景が広がっていた。


「す、すみません、寝るつもりなんてなかったんですが」


「そのわりには、速攻で寝てたけどな」


課長のせいで、寝不足だからですけど。


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