20代最後の夜は、あなたと
「いってぇ・・・」


課長のうめき声で我に返り、


「あっ、す、すみません!」


私は被害者なのに、謝るなんて。


「か、課長、今のは絶対にセクハラですからね!」


「そうかもな、でもしょーがねーじゃん。


キスしたかったんだからさ」


「そういうことは、他の人にしてください!」


「宮本は、好きでもない男とキスすんのか?」


「するわけないじゃないですか!」


キスじたい、ひさしぶりなんだから。


「おまえが俺のことチャラいって思ってるのは知ってるけど、俺は好きな女としかキスしねーぞ。


ついでに言うと、チャラくないし二股もしねーし」


「課長がチャラくてもそうじゃなくても、どうでもいいです。


同意もなくキスするなんて、おかしいです」


「宮本さ、異動前に俺と正面玄関でぶつかったの、覚えてるか?」


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