はちみつ・lover
いやいやいや・・・嘘だろってくらい似てな

いんだけど。何だろうこの不思議な気分は。

その「お母さん」と「息子」である彼は全

くと言っていいほど似ても似つかない。いく

ら異性とは言っても、この二人・・・まるで

赤の他人だわ。


お母さんは正直なところ・・・おとぎ話に

出てくる魔女みたいな容貌をしている。こ

の二人を見ていると、「魔女」が「王子

様」を生んだという感じがした。

「あなた、見ない顔ね・・・誰!?」

お母さんの顔がすぐ目の前まで迫って来

る。カッと見開いた目は血走っていた。

「母さんまで何だよ。放っとけよ」

「『放っとけよ』じゃないわよ!誰、この

女!?あなたを心配して来たってのに、何な

のよこのバッドなサプライズは!?」

お母さんは病室だというのになりふり構わ

ずヒステリックになっている。お父さんが

ムリヤリ彼女の腕を掴むと、そのまま彼女

は廊下に引きずり出されていった。


「待って!まだ話は終わってないわよ!」


そんな彼女の声が、段々と遠くなってい

く。私は一息つくと寒気がした。
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