空になりたい。
次の日。私は病院へ向かった。

602号室。

二回ノックする。

病室から声がかえってくる。


「ひなた!」

「おはよー」

はい。と、私はお菓子の入った袋を渡した。

「やった。俺の好きなお菓子。」

「そーだよん」

「さんきゅ」

「いーえん」

「その、最後に。ん。ってつけるのなに」

「とくに理由ないよん」

「ぷはっ…」

「なんで笑うのん」

「いやー。なんかひなた変わった。」

私…変わった?

「そうなのん?」

「うん。そうなのん。」


「そうなのんかん。」

「そうなのんだよん。」

そう言うと二人顔を見合わせて、笑った。
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