空になりたい。
「ひなた!夏休み遊びたかったのに!メール返信忘れてたの!?」

彩香が怒り口調で言ってきた。

「ごめんごめん。ちょっといろいろあってさ」

苦笑いで私は答えた。

「そっかー。じゃあ、今日!」

「え?」

「今から遊びに行こう!ほら!」


「え!いまから!?」

彩香のその言葉をきいて私は驚いた。


今からか…さすが彩香…

想像をはるかにこえる…

あたりまえじゃない…


あ、あたりまえじゃないの発見。



いつもどおり。とかあたりまえ。に縛られない。



そんな日常を私は求めた。





その日は彩香のおすすめのパンケーキ屋さんいって語り合った。



彩香の彼氏の話とか、私と空のこととか。

夏休みどこにいったとか。なにしただとか。



語り合うのって自分のあたりまえで決めつけないでほかの人の意見であたりまえじゃなくなるの。


それってすごいことだよ。


語り合う。

なんかそれは生きているって感じがする一つの瞬間なのかもしれない。


駅にいって電車にのって。

彩香の最寄りの駅ついてそしてばいばいと手を振って。

ドアがしまる。



今日はあたりまえだけじゃない。

いろんなものを体験して。

生きてる瞬間を味わえて。


そんなふうに思ったら空にあいたくなった。
< 73 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop