先代の私 でも、、、
好き
我慢してきたからか、感情が込み上げる。



好きだった。



私とは違う色の手入れをされ艶のあるロングの黒髪も、

黒真珠の様な輝きを持つ黒目が綺麗で、声音も優しくて。



ただそうなると、5代目の鎮だって黒髪黒目で優しいし顔も見せていた。



桃香は金髪碧眼、環は茶髪茶目、千尋はピンク髪に黒目でも優しいじゃないか。



静夜だって静司兄だって優しいし、家族だし、両親の死から負った心の傷を一緒に乗り越えた。



親しい仲の者に恋愛感情を抱かずに、微妙な距離がある6代目の綾人を何で好きになったんだ。



告白すらも出来ずに、こんなに悩んで情けないのは承知してる。



桃香達はこの事を知って応援してくれたが、相手が居ては告白なんて出来る訳が無い。



弱い。



世界No.1桜花の歴代最強総長魅桜で、敵には回したくないと恐れられる風魔家の者なのに。



何なんだ、もう。



好きなのに好きと言えないのを朱里のせいにして、

仲間として、姫として存在している朱里に嫉妬したなんて。



バカだ、大バカだ。



忘れろ、忘れるんだ。



朱里と言う相手が居てお似合いなんだぞ?



同じ代で、あんなにも親しいんだぞ?



朱里はあの時、綾人に助けを求めたんだぞ?



綾人だって朱里を救ってくれた事をわざわざ礼に来たんだぞ?



憧れられてるんだぞ?



先代なんだ、私は………。



………。



落ち着いた。

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