先代の私 でも、、、
「お姉ちゃん、お姉ちゃんって好きな人って居るの?」



いきなりだな。



まぁ静夜は私に好きな人が朱里ということを教えたのだし、

別に言っても良いか。



「今は居ないな」



「今は?前は居たの?」



「……あぁ。といっても、相手にな好きな女が別に居て、身を引いたんだがな」



「へぇー、お姉ちゃんを選ばない奴なんて居るんだ」



「……真顔で言わないでくれ」



何か恥ずかしいから。



「でも、僕と同じ状況なのに全然気付かなかったよ」



失恋したこと…だろうか。



「けど、そっか。お姉ちゃんでもそんな事あるんだ」



「私でもって、いくら引きこもり同然の生活をしてるからって恋だってするさ」



「いや、そういうことじゃなくてね………」



少し苦笑の様なものをしてから、静夜は私の腰に抱き着いてきた。



「あーでも、お姉ちゃん離れするのもっと難しくなるなー」



お姉ちゃん離れ…か。



離れられたら、寂しくなるな。



そんな事を思いながら静夜の頭を撫でる。



「あー、渡したくない」



渡したくない?



その言葉も気になったが、やはり姉離れされるのは嫌だな。



あー、離れてほしくないよー。



なんて言うわけでもなく、ただ静夜の頭を撫でる。



そうか、離れて……しまうのか。



そうなると、私は1人だな。

< 44 / 101 >

この作品をシェア

pagetop