僕と城矢君の平行線は。
「おはよ。」

城矢君は、教室のみんなに挨拶をする。

一瞬、僕を見て静かになった。

でも城矢君の友達宣言があってからかな。

あからさまな態度をとられることが少なくなったような気がする。

僕も小さい声ながら、おはようと言った。



「翔おはよー。今日も眠いなー!」

「テンションと言葉が合ってないぞ蓮。」

「気のせいじゃね?」


あ、この人。

城矢君と一緒にサッカーをしていた人だ。

このクラスだったんだと改めて認識した。

城矢君も身長が高いけど、この人も同じくらい高いな。


「おはよ星南さん。いつも翔が悪いね。」

「えっ…あ、いや…」

まさか話しかけられるとは思っていなくて、戸惑ってしまう。

「おい、お前は俺のなんなんだ。星南さん、ごめんね。こいつは堺 蓮。俺と同じサッカー部だよ。」

「対応違いすぎだろ…。」


さかい れん…か。

なんだろう。

城矢君と同じ系統の匂いがする。


「あの…!さっきは戸惑ってごめんなさい。おはようございます。」

「ぷはっ!そんなかしこまらなくていいよ。俺ら同年代でしょ?」

「あ…!うん。わかった。」
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