愛人契約
先輩は、はぁっとため息をついた。

「先輩だって、恋愛感情が入ったら、上手くいかないって言ってたじゃないですか。」

「それは、どちらか一方だけの時よ。」

「えっ……」

私は顔を歪ませた。


「どちらかだけが恋に落ちたら、もう片方が重荷になる。でも、あなた達は違うじゃない。」

私はパーティーの時の、本田さんを思い出していた。

優しくて、紳士的で、頼りになって……

でも、そんな本田さんだからこそ、今後も母を捨てる事は、できないと思う。


「あの人には、私よりも相応しい人がいるんです。」

「どう言う事?」

「時間が経ったら、お話します。」

私はそう言って、その席を立ち上がった。

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