愛人契約
「はい……抱かれたい……です……」

「なに?はっきり言ってくれ。」

「本田さんに……抱かれたい……です。」

するとまた快感の波が、押し寄せてきた。

「俺も、合格と言う訳か……」

「ああ……本田さん……」


情事が終わった後、本田さんは私に自分のシャツを、掛けてくれた。

「大丈夫か?」

「はい……」

「君を抱くのは初めてなのに、優しくできなかった。すまなかった。」

「いいえ。」

スーツのズボンを履き、上は引き締まった上半身をさらしたまま、本田さんはお財布から、お札の束を3つ出した。

「今月はこれで、生活費は足りるか?」

「は、はい。」

そのお金を受け取った私は、めくるめく世界の中で、愛のないセックスが、この世にあるのだと知った。

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