愛人契約
「はい……」

そこまで言われて断ったら、女が廃るかな。

「分かりました。いつですか?」

「今週末なんだ。」

「今週末!?」

今週末って言ったら、もう明後日じゃない。


「家まで迎えに行くよ。後で住所教えて。」

「はい……」

そんな急な事、なぜ私に頼むの?と思いながら、シャワー室へ入った。

温かいお湯が、本田さんとの情事と洗い流す。

はぁーっとため息を、一つついた。


正直言って、泰介の入院費や治療費で、お金はいくつあっても足りない。

だから、パーティーに行っただけで、またお金が貰えるのは嬉しい。


セックスって、もっと身も心も、満たされるものだと思っていた。

まさかお金で満たされる時が来るなんて。
< 59 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop