愛人契約
ホテルの人は、親切に声を掛けてくれた。

「……主人は、いつもああなの?」

「えっ?」

「ごめんなさい。知り合ったばかりで。」

なのに、主人って言うのも可笑しいんだけど。

「ええ。お優しい方ですよ。特に女性の方には。」

「そう……」

たくさんの女性に囲まれて、あの人は女に不自由しない人だ。


「このフロアです。」

着いた部屋は、最上階の部屋だった。

「えっ……本当に、ここ?」

「はい。ご主人様がここにと。」

いわゆるスイートルーム。

休むには、グレードが高すぎる。

「ありがとう。」

「鍵はここに置いておきます。」

「はい。」


ホテルの人は一礼をすると、部屋を出て行った。
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