血まみれ椿姫
俺はパソコンを初期画面に直し、立ち上がった。


オペラ関連の棚へと移動すると、その本はすぐに見つかった。


かなり有名なのか《椿姫》に関する本がズラリを幅を取っている。


その中でも一番薄く、読みやすそうな本を選んで手に取った。


ザッと目を通すと、オペラの内容が書かれている。


主人公は女性のようだが、小さな女の子ではない。


他にも、今回の事件と共通するような箇所を探したが、どこにも見当たらなかった。


俺は息を吐き出して本を元に戻した。


「ダメだ、なにもわからない」


と、左右に首を振る。


「『椿姫の長年の怒り』確か、そう言ってたよな?」


「あぁ。でもきっと夢でも見てたんだろ。現実と夢との区別がつかなくてあんなことを言ったんだと思う」


俺はそう言い、無理やり笑顔を作った。


「あぁ……そうかもしれないな」


城は何か考えるような素振りを見せながらも、そう言ったのだった。
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