血まみれ椿姫
呪い
俺は生徒手帳尾握りしめて家を出た。


この前もらった5千円の残りの金でタクシーを使い《椿ホーム》へと向かっていた。


風花の祖父が《椿森》の伐採をしていたことは知っていた。


《椿ホーム》ができた5年前、風花の祖父はそのオープンに立ち会っていたのだ。


何十年も経過しての建設だったが、《椿森》の伐採に関わった人物の大半がそのオープンに立ち会ったと噂で聞いていた。


随分熱心な人たちだったんだな。


当時はそう思っただけだった。


でも、違うんじゃないか?


《椿森》を伐採する時にも様々な障害があった。


そんな場所に《椿ホーム》を建設することに、本当は反対していたんじゃないか?


そんな思いがよぎったんだ。


オープンを祝うために集まったのではなく、《椿森の呪い》を少しでも緩和するためにそこにいた。
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