血まみれ椿姫
病院へ
施設から出た俺は真っ直ぐに城の入院している病院へと向かった。


まだ閉鎖病棟で隔離されているかもしれないと思っていたが、状態は比較的安定してきているらしく、今日から普通病棟へと移動していることがわかった。


これなら城に合う事が出来る。


俺の気持ちは一気に高ぶった。


亡くなった人たち全員の祖父が椿森の伐採関係者だった。


しかも、全員が椿森の呪いの生き残りだ。


でも、作業員の中には中田と古家という名字の人もいた。


「城と、古家先輩……」


病院のエスカレーターを待ちながら、俺はそう呟いていた。


次はどっちの番だ。


そんな事考えたくはないが、狙われる可能性があるのは2人のうちどちらかだ。


殺される前に、椿森の呪いを止める術を探さなきゃいけない。


エスカレーターを待つのももどかしくなり、俺は階段を一段飛ばしで上がって行った。


5階まで一気に駆け上がり、肺が圧迫される。


しかし勢いを止めることなく、俺は506号室まで走った。


「城、開けるぞ!」


そう言ってドアを開けたその瞬間、散乱した室内が目に飛び込んできた。
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