血まみれ椿姫
城はそう言い頭を抱えてその場にうずくまった。


「城……大丈夫か?」


俺は城の肩に手を置いた。


その肩は小刻みに震えている。


「城、落着いて聞いて欲しい。犯人は……あの女の子は、きっと人間じゃない」


俺の言葉に城は顔を上げた。


「俺たちが生まれる前、椿森の伐採に関わった人たちが次々と亡くなっていたんだ。だけど生き残った人たちもいた。それが……今回亡くなった人たちの祖父なんだ」


「それ……その話しなら俺もじいちゃんに聞いた事がある!」


城が俺の両肩を痛いくらいに掴んできた。


「椿森の伐採に関わった人たちに不幸が続いたから、森に祠を立てたんだ。そうすると不幸がパタリと止まったって! なんだよ、あれってただの都市伝説じゃなかったのか!」


「恐らく、本当に起こった事なんだろうな」


「だけど不幸は止まったって、じいちゃんは言ってたぞ」


「それが終わっていなかったんだろうな。時間を経て、再び呪いは解放された……」


憶測だが、その祠になにかが起きて呪いが解き放たれた可能性がある。
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