血まみれ椿姫
「お前、また聞いてなかったんだろ」


俺の困った顔を見て城がそう言ってきた。


俺は小さく頷く。


城は軽く笑って、俺に数式の解き方をこっそりと教えてくれた。


「サンキュ」


「明日、花火おごってくれれば許す」


城はそういい、ニカッと白い歯をのぞかせて笑った。


数学の問題一問で花火?


お礼が豪華すぎやしないか?


そう思ったが、夏も終わりが近い。


最後に一発打ち上げてもいいかもしれない。


そう思い、俺は黙っていたのだった。

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