血まみれ椿姫
どこからか、微かにだけど機械音が聞こえてくるのだ。


「なんの音だ?」


首を傾げる俺に対し、城の顔が一瞬にして青ざめた。


「おい、どうしたんだよ」


慌てて聞くと、城は強く首を振った。


「この……音って……」


「機械音か?」


「チェンソーの音じゃないよな……?」


そう言われハッとした。


確かに聞こえてきている音はチェンソーの音によく似ている。


瞬間、夢の中で三宅先輩の言った言葉がまた蘇ってきた。


『これで終わりじゃないぞ』


「まさか……!」


俺は弾かれたように走りだしていた。


「おい、良真!」
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