好きあらば、君だけ

「 各務 舞さん 」


名を呼ばれて窓口にいる私。

なぜか結膜炎になってしまった私は眼科に来ていた。



「 悪化しないように目薬出しますね 」



どうやら粘膜が弱いらしく、私は特に右目の視力は低すぎるほど。

左目を隠すと、側にあるものさえボヤけて文字すら判別できない。

眼科の先生が言うには、左目が見えるせいで右目が左目を頼り見ようとしていない、そう言われた。

かと言って、目を手術するまではいかない。

その目が結膜炎……



「 舞、目薬もらった?」

「 うん、すぐ治るよ、大丈夫 」



わざわざ眼科まで一緒に来なくていいのに……

結膜炎だってすぐわかったし。



「 大丈夫かよ、眼鏡買う? 目にゴミとかヤバイだろ 」



ヤバくない。



「 俺の顔、見れなくなったら困るよ 」



全然困らない!

むしろ……



「 ほら、こうして腕組んでれば転けない 」

「 魁! 大丈夫だってば! 見えない結膜炎じゃないんだから 」



そうなんです。

私に告白した魁とは、彼氏彼女じゃないけど……

魁とはよく一緒にいる。



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