一番の君。


「る、泪ちゃん…。」


今までずっと黙りを決め込んでいた凛が小さな声で話しかけてきた。


あのね、泪ちゃんは知らなかったかもしれないけど、この人達はこの街でとっても有名な人たちなの。
だから、体裁守るためにこういうことしてるんだと思うんだ…。

だからね…。


凛が言ったことは、少し衝撃的だった。

この街に引っ越してきてから、
三年経つが、彼らの存在は知らなかった。


本当に縁のない人達だったんだよ。
今までは。


でも、こうなってしまった以上、
凛の言う通りにした方がいいかな…。

私じゃ何も思いつかないし。


それに、これはこれで平和だし。


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