さよならくじら
はじまり
始まりは突然だった。
私、鈴木 希咲(すずき きさき)は親友の佐々木 詩乃(ささき しの)と図書室に来ていた。

「希咲ー。次の時間席替えだよーー。」

「詩乃は、利太と隣になれるといいね。」

詩乃は、入学式の日に利太に一目惚れし、その一途さをつらぬいているのだ。

「利太となりたいけどー...なったらなったで恥ずかしいかなぁー。」
「ところで、希咲は好きな人とかいないわけー?」

「いないー。なんかそーゆーのよく分からなくて...」

「もしできたらおしえてよねー!」

「もちろん!」
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