エアラブ集めました。
Story7 同級生×独占欲
「禅、ありがと……」
そう言って俺の制服をつまんだ歌乃の手は、震えていた。
先ほど電車内で中年の男に触られそうになったところを、気づいた俺が阻止して未遂に終わったんだけど。
「けど、本当に良かったのか? 追いかけなくて」
「いいの。逆恨みされたら困るし」
未遂とはいえ、見ず知らずの男に近づかれて嫌な思いをしたよな。
……つか、俺もマジで嫌なんだけど。
「禅?」
歌乃の手を取り、人気のない路地へ入る。
「俺に触られるのは、嫌?」
握りしめた手に指を絡め、歌乃の顔をのぞき込む。
「うっ、ううん」
慌てて首を横に振る姿に、愛しさが込み上げる。
「上書きしていい?」
「えっ?」
俺は、返事を待たずに歌乃を抱きしめた。
「もう、あんな思いはさせない。俺が護るから」
「禅……」
こんなことがあってから気づくなんて、俺はバカだ。
世界中の誰にも歌乃を渡したくない、って。
そう言って俺の制服をつまんだ歌乃の手は、震えていた。
先ほど電車内で中年の男に触られそうになったところを、気づいた俺が阻止して未遂に終わったんだけど。
「けど、本当に良かったのか? 追いかけなくて」
「いいの。逆恨みされたら困るし」
未遂とはいえ、見ず知らずの男に近づかれて嫌な思いをしたよな。
……つか、俺もマジで嫌なんだけど。
「禅?」
歌乃の手を取り、人気のない路地へ入る。
「俺に触られるのは、嫌?」
握りしめた手に指を絡め、歌乃の顔をのぞき込む。
「うっ、ううん」
慌てて首を横に振る姿に、愛しさが込み上げる。
「上書きしていい?」
「えっ?」
俺は、返事を待たずに歌乃を抱きしめた。
「もう、あんな思いはさせない。俺が護るから」
「禅……」
こんなことがあってから気づくなんて、俺はバカだ。
世界中の誰にも歌乃を渡したくない、って。