君と君は僕を愛してくれた。
どうして。
高校の時、僕には好きな人がいた。


その子はあまり好まれるような人ではなかった。


すごく明るくて、無駄に声がでかい。



でも、



優しくて、僕には可愛く見える時があった。


それは、



君が時々見せた、心からのくしゃとした笑顔。



一目惚れではないが、君に気づいたら恋をしていた。



でも、告白しようとは思わなかった。



だって、君を傷つけたらどうしようと考えるから。



みんなを笑顔していた。




幸せを与える天使のように。



触れたくても、触れられない。



そう考えると、自然に自分の中に見守ろうという心が芽生えた。





でもそこから、話すことがなくなったことはない。



話すたび君がどういう人なのかがわかってきた。



そうすると、君がもっと好きになった。



そんな気持ちのまま、一年が過ぎた。




僕たちが二年の時、君からデートの誘いがあった。



誘われたときはびっくりした。




でも遊ぶだけだよね、っと思い当日をむかえた。



そこはとある公園だった。




二人で歩いていると、君が急に止まった。





どうした?







僕は君に聞いても、答えてはくれなった。






だった下を向いていた。





具合悪くなった?





と聞いても、ただ頭を横に振るだけ。






すると、




あのね、井ノ原くん。実は...





私、井ノ原くんのことが 好き みたい。






それは突然の君からの告白だった。




長い沈黙が二人を包み込んだ。




好き?



僕のことが好き?



信じなれなかった。




片思いをしていただけなのに。




見守ることが僕の幸せだと思っていたのに。





でも、僕の心には君の気持ちがはっきりと聞こえていた。




どうすればいいの?




返事をしないと。




でも、どう返せばいいのかな?




思考回路がショートしそう。





そうしていると、君は話しを続けた。




だから、私と付き合って、くれるかな?




君の顔がどんどん見えなくなってきた。





でもそれは、俺の目に涙溜まってきたからだった。




嬉しかった。




素直に嬉しかった。




僕は君の手を握った。



そうしたら、なんだか心が温かくなってきた。



そうか、君は僕が好きなんだなって。



左手で君の顔を上げて言った。




俺も実は、菜月が好きなんだ。



言ってみたらなんかスッキリした。



そして、




俺でよければ、よろしく。




こう言った瞬間、君は泣き出してしまった。




でも、嬉しそうだった。




なんだ、ただ逃げていただけなんだ。



伝える気持ちから。




少し、男としてダメだな思った。





でも、






菜月、俺はもう逃げないよ。




心の中でそっと囁いた。






永遠の誓いのように。

















< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop