蜜月同棲~24時間独占されています~


「誰か来たの?」

「ああ、柚香はちょっと待ってて」


克己くんには、誰が来たのかわかっているらしい。
知らないうちにルームサービスでも頼んだのだろうか。

部屋の入口の方へ目を向けていると、予想は外れた。


「え……お姉ちゃん!?」

「柚香!」


大きな荷物を抱え、姉がひらひらと手を振りながらにこやかに部屋に入ってきたのだ。
姉の後ろについて戻って来た克己くんは、更に大きなボックスを抱えている。
さっきまでは、確かにそんなものはなかった。


「なんでここに?」

「ふふふっ。克己に頼まれてね」

「え? 何を?」


私の問いには答えず、姉が持ってきた四角いボックスをソファの傍のテーブルに置く。
克己くんが持ってきた等身大くらいの大きな箱は、その近くの床に置かれた。


「さ。さっさとやるわよ! 私は明日も仕事で忙しいんだから。克己は向こうの部屋に行っててよ」

「わかった」


と、克己くんは指示された通りにベッドルームの方へ向かってしまった。

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