蜜月同棲~24時間独占されています~
招待状の手渡しも兼ね、さやかと互いの近況を報告し合い久しぶりにたくさん話をした。
さやかも最近彼氏ができたところだ。彼女の惚気を聞かされることになったが、散々心配をかけた身としてはここは大人しく聞かねばなるまい、と聞き役に徹した。



「さやかの彼がね、ひとつ年下らしいんだけどすっごく優しそうでね」

「へえ」


車で迎えに来てくれた克己くんに、身体を支えられながらエレベーターを降りて部屋までの通路を歩く。
足元がふわふわとして、気持ち良いけど心許ない。


「年下でも頼りがいがあるのかな? さやか、いつもは姉御肌なのに。ちょっと甘えてて可愛かった」

「わかったわかった。ほら靴脱いで」


久しぶりの再会でアルコールのせいもあり、テンションが上がったままだ。彼がハイハイと聞き流し宥めながら、私の靴を脱がせる。


「ふあっ……」

「っと。たく、どんだけ飲んだんだ」


かくん、と膝の力が抜けて倒れそうになるのを、彼の腕が支えてくれる。


しょうがないな、と優しい苦笑いにとくんと胸が鳴く。
この表情が、私は好きだ。
ときめきながらも彼の腕の中でおとなしくしていると、彼が私の膝裏に手を通しひょいっと抱き上げた。




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