蜜月同棲~24時間独占されています~
『ね。会って良かったでしょ?』
と、ちょっと得意げな母親に、結構前から再会はしていたとは言い難く、言葉に詰まっていると。
さらっと続けられた言葉に度肝を抜かれた。
『絶対気に入るって言ったじゃない。あんた、克己くん初恋だもんね』
「ごほっ!」
口に入れたばかりの料理が気管に入りそうになって、咽た。
「この子ったら慌てて食べるから。ほら大丈夫?」
とわざとらしく背中を撫でる母を横目で見ると、にまーっと嬉しそうで。
私は、ぼぼっと全身が熱くなった。
初恋がまさか母にダダ漏れだったなんて!
「大丈夫? 柚香ちゃん顔真っ赤よ」
と、おば様にそう言われてテーブルの向いに視線を戻せば、克己くんも不思議そうにこちらを見ていた。
「な、なんでもないです! ちょっと苦しいだけですみません!」
なんだか目を合わせていられなくて、何度か咳を繰り返して咽喉を落ち着けながら、俯いてしまった。
ほんと……お母さん……勘弁して欲しい……。