俺様社長ときゅん甘同居
さて、仕事をと給湯室でコーヒーなどのセットを終えて事務所内に戻ると、我がデザイン事務所恒例の激が飛んでいる。

「おい、佐伯!お前このデザイン何考えて作りやがった?ん?言ってみろ?」

お口が悪いのはご愛敬、そしてそう告げる顔は口の端がピクピクしてるし、目は笑ってない。
我がデザイン事務所のチーフデザイナー、砂川拓は朝から部下への指導に忙しい。

「これはどう考えてもダメだろ!ちゃんとしたの今日中に出せよ?」
「はいぃ!!」

という、やり取りを小耳に挟みつつ私も自分のデスクで仕事を始める。

チーフデザイナーの砂川拓、42歳。
その容姿は清々しいほど美形で若い。
見た目だけなら私と同世代に間違われる。
ここの所長の諸月さんが独立する時に、一緒に働いてた前の会社を辞めて諸月さんについてきたという。
このデザイン事務所の立ち上げからのメンバー。
そんな美魔王様は、今日も今日とてエンジン全開である。

「おはようございます。今日もチーフは絶好調ですか?」

挨拶しながら聞いてきたのは、注意を受けたデザイナー同様彼の下で働くデザイナーの三木翔子、28歳。
可愛らしいふわふわの栗色の髪は天然パーマに地毛の色だ。
色素も薄目で肌も色白、可愛らしい雰囲気だが中身は仕事バリバリの姉御肌タイプ。


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