俺様社長ときゅん甘同居
そして、考えてるうちにちゃっかりお会計を、済ませてしまう拓さん。

「あ、私がちゃんと買うのに!」

ボーッとしてたのがいけないんだけど、思わず突っ込むと

「これくらい良いだろ?無理やり帰さないんだから。ここは俺が買うところなの!」

そうして荷物も持たれて、手も繋がれたまま私は再び彼の車に戻って助手席に乗る。
拓さんは荷物を後部座席に置いていた。
チラッと後ろを見ると後部座席には、さっき買ってきたファストファッションの袋以外のものが二つもある。

まさか・・・

「拓さん、私が選んでるあいだにセレクトショップの方にも行ったのね?」

チラッと見遣れば

「あぁ、パッと見たときにお前に似合いそうな服を見かけてな。着せたいから買ってきた」

そう返されて、赤面したのは言うまでもない。
なんでそんな事を当り前みたいにサラっと言うかな。
ホントに大人の男のずるさを感じる。

「この服たち、拓さんの所に置いてっていいんでしょ?」

そう尋ねれば

「もちろん、帰ったら空いてるスペースに入れてくれ。晶子の服入れるくらいの空きはある」

そんな答えが返って来る。

「それに置いておけばいつでも誘えるしな?それ、分かってて今回は言ったよな」

ホントに、相手をよく見ている人だ。
顔を赤らめつつも、私は素直に答えた。

「もちろん、分かってて言ってるから」
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