俺様社長ときゅん甘同居
side晶子

私が帰ってから1時間と経たずに私のアパートに拓さんが来た。
話しがしたいと。

だから上がってもらえば、明日の引越しの準備ですっかり片付けた部屋ではやはり落ち着かないのか、家に帰ろうと言う。
俺の家ではなく家と言った辺りにもう、あの家は拓さんだけではなく私込みの家であると伝えてきた。
ちゃんと考えてた事は伝わった。
私の性格とかそのへんとの兼ね合いで、話しづらかったのも分かるので、少しの抵抗をしたものの帰ることに同意した。

慣らされたのか、私はすっかりアパートよりも拓さんの家が居心地良く感じるようになってたし。
今日ここに来た時も、帰ってきたと言うより最終確認しに来たといった感じだ。

帰ることに同意した私を見て少しホッとした表情した拓さん。
でも、そのあと少し固くなった。
そんな表情は初めてで、ちょっとマジマジと見つめると

「さすがにな、ここで晶子にごめんなさい、無理です。さよならとか言われたらとか、話してごめんなさいとか言われたら、と思えば俺だって緊張するんだよ」

苦笑しながらも、私の髪を撫でる手は優しく愛おしさを隠さない。

「それは、言わない。時期を延長しようとは言ったけど、婚約破棄してなんて私は一言も言ってないじゃない!」
「そうなんだけどな、あそこで先に帰られたら不安にもなる・・・」

珍しい程の弱気な彼に不覚にも可愛いと胸キュンしてしまった。
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