それでも、幸運の女神は微笑む
ええええー!

それで、夕日と一緒にいたから牢屋?


・・・ううん、それもあるだろうけど、何より。




『夕日にキスされたから牢屋入り、かなぁー?あははははっ』


乾いた笑いが止まらないネー!?




きっと、夕日とグルだと思われてるんだろう。

そりゃあ、キスしてた奴らを無関係とは思わないよねぇー!!

納得納得ー!



って。


『できるかぁっ!』



心のままにべチンと床を叩いた。

・・・指が痛くなった。


少し手を抑えて悶えてから、キッと牢屋の中で前を向く。



『私はここの人たちの敵じゃない』


それは確かだ。

でも。



『・・・夕日の敵にも、なりたくない』


唯一日本語を話せる人。

私と同じ黄色みのある肌色の人。

この世界で私に初めて、屈託無く笑ってくれた人。




だから、たぶん。

どちらの敵でもないけど、どちらの味方でもない。


『そもそも、なんで敵対してるのかわからないし』




あの、気を失う前に聞いた悲鳴はなんだったんだろう?

あの黒毛赤目の猪は?

ロイはなんで夕日を追って、なんで夕日は逃げたんだろう?



わからない。

わからないことばかりだ。






『・・・私、どうすればいいんだろう』


どうなっちゃうんだろうとは、どうしても口に出せなくて。

それでも、ポツリと落とした言葉は静かな牢の中でやけに響いて。




苦しく、なった。



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