それでも、幸運の女神は微笑む
「そう。
アサヒは今日も元気だね」

「うん!げんき!ラギアは?」

「普通」

「ふつう」


そうか普通か。

静かに頷くラギアに頷き返した。



「ラギア、きょう、なにする?」

「寝てる」

「ねてる・・・」


それは、どうなんだ?



この一ヶ月でわかったんだけど、ラギアってやるべき事というものが無いらしい。

勉強する必要も働く必要も無いみたいだけど、どういう立場なんだろう?

大抵寝てるかボーッとしてるかふらっとどこかに消えるかなんだけど・・・ハッ!


ふらっとどこかに消えてるときに、私が知らないところで何かしてるのかも!




「ラギア、なぜ、いなくなる?」

「いなくなる?」

「昨日、夕方、いない!」

「ああ。散歩」

「さんぽ・・・」


特に何もしてなかった。




「わたし、また、服干す!!」

「付いてく」

「む?」

「暇だから」

「むー!」


了解です!

ではでは!



「行くぞー!」


私より少し大きなラギアの手を取って、歩き出す。

紺色のお仕着せがひらりと揺れた。







戻れば、マーニャが元気に笑って、シエルが目を伏せ、ミュレットがわたわたと、ラギアに挨拶した。

ラギアはどの反応にも、静かに頷いた。


「アサアサアサアサヒっ・・・なんで愛し子様が!?」

「頭、洗う、会う!」

「偶然会ったのか~」

「マーニャよくわかったね!?」

「ミュレット、慌てすぎよ」

「逆になんでみんなそんな平然としてるの!?」




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