それでも、幸運の女神は微笑む
『それで、ラギアの寝室で何するの?』

〈言葉教える〉

『ありがとうございます!お手数おかけします!』


私は即座に頭を下げた。

そういえば昨日ラギアが教えてくれるって言ってたね!



〈知りたいのは?〉

『日常会話!』

〈日常会話?
・・・挨拶とかのこと?〉

『そうそう!
自己紹介はアイナにみっちりしごかれたからいいとして』


朝の挨拶も今朝マスターしたから・・・。


『“こんにちは”と“こんばんは”かな?始めは』

「わかった。こんにちは」

「おんみつは!」

「違う」

「すみません!」


初っ端から間違えた!

予想はできてたけど!!!



「びゅみょー!もういっかい!」

「こんにちは」

「おんみちは!」

「違う」

「すみません!もういっかい!」

「こんにちは」

「くぉんみ・・・ひゅびゃ?ちがう!
くぉんぬぃちは!」

〈もっとはっきり発音して〉

『はっきり・・・「こんにちはっ!」

「そう」


ラギアがこくんと頷き、私はぐっとガッツポーズをした。



・・・しみじみ思う。

こんにちはという簡単な短い単語でコレだなんて、異世界言語難しすぎる。




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