それでも、幸運の女神は微笑む
「アサヒ、どうした?」

「なんかベツ(八の字の丸い眉のような茶色い模様がある犬。鈍臭い)みたいになってるけど」

「ロッチェお前上手いこと言うな!
そっくりだぜアサヒ!間抜けそうなとことか!」

「だろ!俺も言い得てると思ったんだよ!」


いえーいとハイタッチするイケメン双子。

よくわかんない単語もあるけど、なんか馬鹿にされてる気がする。





私は今、食堂でお昼ご飯を食べている。

ラギアと、偶然遭遇したロイとロッチェと一緒に。


で、首尾はどうだとロイに聞かれて漏らした言葉がさっきのもの。

発音難しい!ってのが本音です。


首尾は、うん・・・。



「きくは、いい。いうは、すみません!」

「ふはっ!すみませんって!」

「言葉のチョイスが秀逸!」


笑われた!

でも、今のところすみませんが1番上手く言えるんだよ!


泣けるね!!




「ロイ、ロッチェ!わらう、だめ!」

「すみませんねぇ・・・って、あれ?」

「アサヒ、俺らの名前そんな流暢に言えてたっけ?」


ロイがきょとんとして、ロッチェが首を傾げた。

私はふふんと薄い胸を張って言った。



「れんしゅうした!」


やっぱり人の名前はきちんと言いたいと思ってね。

基本的な挨拶の後に猛練習したんだ。完璧に言えるように!

でもやっぱりすみませんの方が上手いかもしれないけど!そこはご愛嬌というわけで!




< 76 / 153 >

この作品をシェア

pagetop