私達が殺るしかない

次に備えて

幸子たち4人は、口を開けたままドアの方を見て止まっていた。
時が、スローモーションの如くゆっくりに感じられた。
やがて幸子だけ顔を埋め、声にならない声で泣き始めた。
「うぅ...美羽.....」
勝手に涙が零れていった。
いくら拭っても、拭っても、止まらなかった。
「幸子...」
ほかの3人が悲しそうな表情で幸子を見つめた。

「幸子!姫華!なの!桃音!
.....帰ってきたよ!」
ぱっと幸子が顔を見上げると、美羽がスカートの埃をぱっぱっとはらい落としていた。
手には、いくつかのライフル銃が握られていた。
「...美羽?...よかった...よかった...ああっ!」
「心配かけて、ごめんね。」
幸子は、安心して座り込んだ。

「...ねぇ、みんな
私、思うんだけど、ここにまた軍隊がくるのは、時間の問題だと思うの。」
「...嘘でしょ?」
「可能性が高いわ。だからみんな、学校の中から武器を探して、それを持ってここから逃げましょう!」
美羽が、自分のライフル銃を掲げて言った。
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